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小屋丸太の墨付け、小屋梁、小屋組み、木口の光り方
小屋丸太組(こやまるたぐみ)

小屋組み、小屋丸太、小屋梁の作り方について、勾配、桁の峠と口脇を決める
木口の光り方についての基本墨付け小屋組、小屋作りの構成、太鼓梁墨付け

小屋丸太、小屋梁、屋根裏丸太とは屋根を構成する荷持ち構造材小屋組みに含まれる材「小屋組」小屋の構成部材に使う丸太梁、中敷き、地棟、登り梁など一般的に屋根裏に使われている、荷持ち(荷重受け材)構造材としても強度が強く一般的に小屋の荷受け材材として重要な構造材として多く使用されています。「丸太のこぐちをひかる」(小屋丸太の木口の形状を桁や梁に移す作業)すべてを手刻み丸太加工した画像です。

ひかるとは丸太をひかる、仕口を光るとは、丸太の仕口を桁に移す、丸太の型を取る、ひかり板、などいろんな言い方があると思います。

このページでは峠、「下図 太鼓挽き(太鼓梁)小屋丸太を使った」基準に説明しています。初めに屋根勾配垂木、桁芯、口脇、峠などの組み合わせ構成を、良く理解して下さい。
★桁の場合で説明していますが小屋丸太は梁などいろんな箇所にも丸太は仕掛かりますが工程の理屈は同じです
★口脇の深さは一般に1分5厘〜2分程度取る様にするのが通常ですが基本は峠墨の基準墨から計ると良いでしょう。 (下の三角図を上下する事によって口脇の深さが変わります、口脇は任意の位置で決めた点を基準になります) 口脇の取り方は「垂木当たりの部分のみ取る」又は「全面電気鉋等で削り取る」などの二種類の方法があります
画像や図、数値は4寸勾配の例です。
画像は太鼓梁や丸太の場合の混合説明になっていますが基本的には同じ墨付けです
画像説明例:桁は3寸5分幅/長さは12尺/4寸勾配/丸太下場は3寸8分

峠と口脇(とうげ/くちわき)
桁天を基準に墨をする場合もありますが、正確には垂木あたりを良くするために一般的には下図(左画像)の様に口脇を取ります。峠の取り方には2通りあります※垂木のあたり部分のみ取る※口脇を全面に鉋で削り取る。
★峠が理解できない場合は峠基準墨を桁天基準墨に変えて行って下さい(図のように峠より桁天は少し下になります)
峠と桁天は違います峠は口脇の深さに応じて任意に上げ下げします、桁天を峠にすれば桁の天場の芯が峠となりますが口脇を少しだけ取る場合は峠は桁天より上に上がっていく事になり峠の墨は下記赤丸の位置になり桁に峠墨を記す事はできません下の丸太のように峠下二寸とか腹墨(桁の側面)を打つと解りやすいです。
なぜこのように自在に峠を上げ下げするか?・・・桁天芯を峠にした場合口脇が深くなり木材を傷める事になるので適当な口脇の深さにするのです。※母屋や棟木なども同様です★適当に任意でj峠に決めて墨付けします。

峠の決め方、口脇の深さを決める

@説明し易いよ太鼓梁の図にしています
★図は太鼓梁ですが、丸太の場合は両木口芯の捻れを抜く作業から始めます(両木口の芯墨の垂直の事)
★峠の位置を任意で決める(丸太を桁に納めた時に格好の良く納まる位置が好ましい)
★峠基準を決めたら2寸間隔程度に腹墨(水平墨)を打つ
(峠から何寸上又は何寸下とかの腹墨「水平隅」を2寸間隔程度に隅打ちし、金「直角」を巻いたり寸法取りの基準墨となります、束の高さや追っかけの継ぎ手など全ての基準となる重要な墨になります)

丸太の腹墨を打つ

A長さの墨を出します(図の場合は12尺)
★縦の芯墨は図のように各、腹墨に正確に差し金を当て上下に引く(丸太、天場/下場も芯墨に差し金を当て金を巻く)
★左右の木口の芯は絶対捻れが無いように墨を引く(小口-Aと小口Bは垂直)「ねじを抜くと言います」

腹墨から寸法を出したり、直角墨を巻く

B小口/束/丸太落ち掛かり下場などの墨をする
★例:小口は1寸3分返り
★例:落ち掛かり下場は3寸8分(適当な位置で水平に決めたら腹墨から正確な寸法を拾う)
★注意:小口/天場/下場/腹墨を全て基準にして差し金うぃつかう(金を巻く)
★垂木が丸太に掛かる場合は垂木欠きを行います
★左木口で説明していますが右木口墨付けも同様

丸太の上に束を立てる場所を加工する

C図は少し変ですがこんな感じに納まります
★このページでは峠基準墨の説明です。※桁天基準で墨付けする職人さんもいますが部材によって正確性に欠けます。
★一般的に母屋や棟木などは口脇を取らず省略する事もあります。※この場合は峠の下端が桁天、母屋天、棟天となる。

小屋の部材名称画像

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桁に丸太の木口を光る(丸太小口の形を桁に移す)
※光る(ひかる)とは画像のように丸太木口の形や癖を取り付く側の材に移す作業を言います。
画像説明の丸太下端(例)は峠より3寸8分下です。

薄ベニヤなどで図のような光り板を作る(幅4寸〜5寸程度で当たり面が真っ直ぐな事)
★@・・・図のように光り板を丸太下場にしっかり合わせる
★各丸太の面に差し金を当て(点線部)延長線を光り板に引き通す(実線)※全ての面を同じ要領で行う
A・・・桁に木口の方を移す
★例は3寸8分下ですからAの様に3寸8分下の墨を桁に出しその位置に図のように光り板を当てる
★光り板(ひかり板)の線を図のように桁に引き通すと形ができあがる
★上場芯から普通1寸3分返り(臍や蟻の長さなどで一律では無く職人によって異なる)まで削り取り落とし蟻を作る
★下画像が納まった形です。
※ボルト引きは下場/横面/両側面/カンヌキボルトなど丸太の大きさや取り合いによって臨機応変になります。

丸太の仕口をひかる(光る)丸太の型を移す

★登り丸太/各丸太の継ぎ手など様々な墨付け作業がありますが以上の基本が理解頂ければ後は応用編ですです。
★番付の方向(向き)などを間違えない様注意して下さい。
★構造用丸太も、用途によって呼び名が有りますが基本的な墨付けは同じです
小屋丸太、小屋梁、太鼓梁(太鼓擦り※一方擦り梁丸太)、野物(広く他の材を指す場合もある)、
ゴロンボ、登り梁(総じてと呼ぶ事もあります)地棟、中敷など他にも多くの用途呼び名があります

太鼓梁とは上部の様な丸太を下図のように両面を製材し太鼓状、太鼓挽きにした物を言う又、二階腰梁などに使う場合一方だけを製材した丸太を一方擦り丸太と言う。太鼓梁に製材すると側面ができるので丸太の捩れを抜いたりする手間が省け墨付けが楽になる面がある。
下図の取り合い構成部材は、桁、小屋丸太梁、母屋、棟木、小屋束、垂木、野地板、小屋筋交いなど小屋組み構成参考図です。

小屋組み太鼓梁の納まり
★墨付けから刻みまですべて手で刻んで現場搬入した丸太梁です。
手刻み加工の丸太梁
小屋束の長さの出し方(計算式)
本来の小屋束の長さは桁、母屋などすべて峠で計算するのですが、日曜大工さんの質問からなので、わかりやすい様に
下図で束の長さを出す事にしました。
束の長さの寸法だしを簡単に説明します。
★桁から母屋それぞれの位置幅×屋根勾配が梁の天端から小屋の天端になりますので束の長さは母屋又は棟木の寸法を差し引いたのが束の長さになります。
★以下の図は簡単なものですが、これを理解すると、どんどん応用が広がっていきます。
★峠からの計算する場合は峠の出し方、見方,を理解してください。

小屋束の長さの出し方、小屋束の計算


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