在来木造建築、和室の廻り子納め、長押などの納め方、雛留めなど留めの各種類の説明、加工など天井関連ページです
又、竿縁天井(猿棒竿加工)や天井の種類、イナゴ天井、敷き目天井や目透かし天井数寄屋風天井、二重廻り子や竿縁の割付方、天井の張り方を説明しています。
このページでは廻り子と書いていますが、廻り縁とか廻り淵「まわりぶち」とも呼びます
日曜大工さんや修行中大工さん達に少しでも参考になれば幸いです。 ※以下留めと書きますが文字は正確でないかもしれません。
廻り子仕口とめとは・とめ、トメ、留め、止め、泊め、駐めなどと言った文字も使うかもしれません」説明、呼び名については様々でして正確でない部分は、ご指摘頂ければ幸いす。このページでは「留め」の文字を使います
木材の良し悪し、仕口の見栄えについては、画像処理が下手で、又残材使用の作成であり技量不足はご容赦下さい。
廻り(まわりこ)廻り縁(まわりぶち)廻り淵とは・・・
天井板と壁材の角部分に設ける見切り材で天井板を支える横に使用する材(和室、洋室など納め方や材質はさまざま)、
留めについて
留めと言う形状は、相互の木材(2部材双方を)を45°の角度に加工する、仕口を通常言う ※2本の部材の仕上り角度は90°にする工作
(相互取り合いの材寸法が大小異なる場合や45°以外の取り合い角度になるような仕口の留めを※作図(1)生留め(なまどめ)と呼びます))
下記画像の画像はベニヤなどに原寸(部分的又は縮小図などでも)を書いて角度の型を拾う方法は簡単で間違える事がないと思います。
このページでは和室廻り子と長押の仕口を主に説明しています
留め(トメ)の仕口、細工は、廻り子、上がり框、見切り縁、幅木、建具、家具など多くの箇所に建築納まりとして細工されています。
留めの種類について・・・
仕口は様々ですが大まかな種類(形式)として、出留め、入り留め、雛留め、なま留め等があります。
下記の留め画像は一般的によく使う45度の留め参考例です。
「45°に墨する道具留め型定規」
生留めとは(なまどめ)下図のように相互の部材幅寸法が異なる
又相互の部材が90°以外の納まり(双方の材の角度が45°にならない仕口)などの場合を言います
留めの角度が90度にならない留の収まりこの工法は材幅によって角度は異なります、小口が出ない加工です。
※雛留め(ひなどめ)は最下画像Dの長押の項の説明にあります。
作図(1)
台形枠など生留めの解説図追加
掲示板質問で台形枠留め(生留め)の勾配の出し方について質問が、あり文章説明の回答が非常に難しく、いつもアドバイス頂いている常連プロのリセットさん、サラリーマン蜂太郎。から、図解の提供を頂きましたので是非参考に見て下さい、(下記の図解は了解を得てアップしています)
大工さんによって様々な手法も有ると思います、ご意見など掲示板にでもお気楽に書いて頂ければ幸いです。
ちなみに私は上の図のような原寸(又は縮尺図)図を書き角度を出してます
台形枠など生留めの解説図を職人さんから提供頂きましたので公開します
★りせっとさん提供のJw cad図面と解説★サラリーマン蜂太郎。さん提供の解説入り図
@大留め (おおとめ)※いも留めとも呼びます。
材を45°に切ったのみ(ぶつ切り留め)の材を組み合わせる工法で仕口は簡単ですが、下画像のように、双方の材がずれ易く現場固定時、釘打ち時に材が、ずれ込むなど作業が難しい面がある。
※この形に一部(中央部)臍を付ける仕口もあるが結構難しい(上がり框、縁淵など出留めなどに良く用られる)
用途:和室廻り子、額縁、各部見切り材、縁淵、など
A相欠き留め(合い欠き)
蚤(ノミ)も要らず鋸だけで加工でき簡単で作業も早いので多く用いられる、クサビの打ち方次第で結構決まるが、後々透き易い面もある
用途:和室廻り子、額縁、各部見切り材、縁淵、など
このページTop
B名古屋留め?
※作者も名古屋留めではなく呼びは不明とのことです、提供有り難う御座いました。
建築掲示板で名古屋留め、なる仕口が話題になりネット、プロ仲間の方が実物を提供してくれました。全国大工連中でも多くは流通していない貴重な仕口と思います
C・・・の仕口よりノミ使わず鋸だけで使って出来メチも入ると言う簡単でも手法です
私は知りませんでしたが覚えれば簡単で利用価値は多い仕口と思います
Cメチ入り留め(呼び名は定かではありません)
この仕口はメチも入りクサビもしっかり打ち込めるので安定した精度も期待できるが多少手間/時間もかかるがお勧め仕口です。用途:和室廻り子、額縁、各部見切り材、縁淵、など
D袋留め(ふくろとめ) ※縦面全面を袋のようにメチを入れる事から袋留めという
ツバクロ留め(つばくろとめ) ※鳥のツバメのクチバシから来た呼び名だそうです
剃刀留め (かみそりとめ) ※全面縦メチが入り留め部分が薄い仕口になるためカミソリ留めとも言います。
C・・・メチ入り留めに似ているが、図の赤ラインポイント仕口が面倒で難しいが、この仕口は数年経っても留めの透き間が起こりにくいので長押や、座敷廻り子など上室に使われる、高度の仕口である
E雛留め「ひなどめ」
長押と床柱の取り合い部分見られる納まりで長押の木口納め留め(他にも木口納めとしては多く応用されます)
木材の小口を見せないように仕組んで納める工法(画像のものはボンドで貼る工法です、形を説明しています)
昔の大工は画像仕口部分を蟻で納めるなど非常に難しい秘宝で細工していたようです
現代では切り小口に単板(厚紙程度の木材)を一枚貼るだけという簡単な手法が多く見られます
※下の図は取り合い画像例です(実際には左右が反対になる場合あります)
F補足:その他留め関連について・・・
以下寸法は、(在来工法基準)使い場所/地方などによって、それぞれ違いますので参考迄のものです「寸」で素材所寸法を表していますが、実際には仕上げ加工などで小さくなります
通常廻り子寸法・・・天井縁とも言う 素材1寸5分×1寸2分程度
下部画像の(丸印)柱から出す寸法は一般的に2分5厘〜3分程度
二重廻り子・・・廻り子を二重に乗せて施工したもの(以下画像参照) 素材0.8寸×1寸程度、下部画像の(丸印)廻り子から出す寸法は一般的に2分〜3分程度
面は1分5厘前後の大面を取る場合が多い猿棒竿縁二重廻り子例はこの下の画像あります
天井竿・・・1.2尺〜1.5尺間隔に配置される竿縁天井張りに用いる竿 素材1寸角程度
(高級座敷にはサル棒なる面取り加工が施される事がある)昨今は敷き目天井張りが多く見ることが少ない
※竿を床の間方向に向けて入れるのは厳禁とされるので床の間に平行方向に竿は配置します
長押・・・・床の間付き座敷などに多く見られる鴨居の上に取る付けられる横材のことで高級化粧材とされている、現代では工場加工の貼り材が多く大工さんが素材から加工することは少ない
柱ツラ面から長押面を出す寸法は一般的に5分前後が一般的です。
先輩から教わったことですが・・・長押材の高さ寸法を決めるには柱の7掛け〜8掛け適度が格好が良いそうです
(例:柱4寸角の場合の8掛の場合4×0.8=3寸2分ですがちょっと小さい気もしますね?・・・)
通常の出来合加工材は3寸3〜5分程度
付け鴨居・・・割鴨居とも言う (つけがもい、わりがもい)
長押を付ける場合、壁部分に取り付ける、鴨居と同厚寸材(長押を付けない場合でも取り付けることは多い)
6・・・画像参照
クサビ・・・
画像では三角クサビ形状で説明していますが、実際には奥が当たり効かない事もあります、先の方だけをクサビ加工にするなど現場に合った臨機応変さが仕事の決め手になります、又、材は、堅木や虫の付かない竹を使うのをお勧めします
私は緩んで抜け落ちる事を防ぐ為クサビにボンドを付けて叩き込んでいます
2ページへ続く・・・
|