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一段目を決めた位置に納める3段廻り階段3段廻り(6段廻り)段簡単に30度の出し方(側板納めと幅木納め)
踏み面と蹴込み(ケゴミ)きざみ道具建築基準法等に対する補足(上がりやすい階段)

蹴込み階段(けごみかいだん)

階段の作り方、段板の割付け、角度の決め方、階段作り

直階段、直線階段、鉄砲階段の作り方、踏み板の蹴上げの決め方や廻り階段について説明しています

このページは修行中の大工さんから質問依頼頂き作成しました、階段の作り方や階段の角度など基本を、おっちゃん流に説明います。
このページでは直線階段鉄砲階段(てっぽうかいだん)3段廻り階段、6段廻り階段、階段刻み道具、自在定規や階段勾配角度、蹴りこみ(けごみ)と踏み面の比率、階段の墨だしなど基本的な寸法出し、作り方を説明しています。
全国プロの大工さん達は、凄いアイデアや秘伝/技術をそれぞれ持っている方も多くおいでになります、私ごときの説明は間違いも多々あると思いますが勉強される方は少しでも参考になさって頂けたら幸いです。
※疑問、質問、ページの間違いなど掲示板に書いていただければ幸いです。
記載中の寸法は説明の為に参考例を示したものです。

階段について昔親方から聞いたお話です(あまり参考にならないお話かもしれませんが言い伝えです?)
■階段の段数は、奇数が良いと言われてました(13段が上がり易い場合が多くありますが)
日本人でも13段上がりは縁起が悪いなど理由で、嫌うようなので普通一般住宅の場合偶数になっても14段又は12段が多いようです。
■踏み面寸法+蹴上げ寸法=15に近い数字がり易い又は段数×蹴上げ=50に近い数字が上がり易いと言われました(当然45度に近くなるから納得ですね)
■玄関から正面直に上がる階段は作らない、などい多々大工修行中には聞かされましたが皆さんのご意見も聞かせてください。※以上の寸法箇所は(センチ値ではなく寸/分で計ります)

図の寸法は説明の為の参考例ですので実際に作る場合は現場の寸法になります
※以下尺/寸での説明になります

階段寸法だし
1・・・A〜Bの高さを現場で測る(例は9尺9寸4分)※14で割った数字が1段の蹴上げ寸法になる
2・・・C〜Bの幅さを現場で測る(例は9尺8寸)※14で割った数字が1段の踏み面寸法になる

※1段目を図のように柱の面内等に納めたい場合は下記に説明します

斜面A〜Cを求める方法

3・・・A〜Cの寸法を求める方法 ※計算が複雑のため√が使える計算機が必要です※以下単位は寸です。
A〜Bの二乗を求める・・・99.4×99.4=9880.36
C〜Bの二乗を求める・・・98.0×98.0=9604
A〜Cの寸法を求める(実際にはこの寸法が解らない)上計算の9880.36+9604=19484.36になります次に
19484.36の数字を計算機に入力し√ボタンを押しますと
139.58638となります(以下寸法は分、以下切り捨てて書きます)
3・・・A〜Cの寸法を求めるは13尺9寸5分になりました(1段の斜面寸法は139.5÷14=9寸9分6厘になる)
計算の結果:踏み面7寸 蹴上げ7寸1分と決まりました(段板8寸とすると蹴込み寸法は1寸と言うことになりました)
※以上は数式でA〜Cの寸法を出していますが、私は現場では差しがねを使って10分の一の原寸を書き数値を拾っています。
参考:一般修正材の場合、約ですが・・・側板8寸×1寸段板 段板1寸〜1寸2分 蹴込み板6mm程度の合板が多く使用されています
建築法規の基準は忘れましたが・・・一般住宅の場合、踏み面6寸5分以上 蹴上げ7寸5分以下には納めたいですね
又、蹴込み寸法は1寸前後が望ましく、踏み面の少ない場合は蹴込み板を斜めに施工し上がり易くする工夫などもアイデアです。

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次に、さしがね角度ポイント図のように側板に角度を出します。
(図は参考寸法を記しています、実際には99.4対98等は差し金2本で使うかまたは各、数字を2分の1で使います)
これで踏み面と蹴上げの角度がでますのでベニヤ等で勾配の型を作り以後この型で墨付けします
注意:彫り込みの度合いを設定すると赤点の位置が決まりますので、14段の割付はこの赤点線位置で割り付けた方が正確により近い。※オープン階段(ささら桁階段)などの墨付けは又別の機会に追加します。

参考:段板彫り込み深さは4分〜5分程度・・・段板下の蹴込み板差し込み深さ2.5分〜3分程度とします
組み込みは裏面から釘/木工ビスなどで止めます(表面化粧材はボンドが効かないので裏のベニヤ部分などにボンド付けも有効ですね)
又、集成材などの場合段板下場にクサビの付属ある場合もあります。
私はこんな道具使って刻んでいます

階段の寸法だし刻み加工
修行中の大工さんココまである程度理解できたら薄ベニヤ等を8寸幅に切り(1枚では短いと思うので必要の長さに繋ぎます)
実際に段数も墨付けして上下は勾配を切り「全長/収まり/勾配」が間違いない無ければ合格です(^o^)。。。

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段板の1段目を図のように柱(見切り内側など決めた位置)に納めたい場合

難しく考えないで、A〜B間の寸法の測り方の処を変えます
図を1段目〜B迄を測り(この場合1段少ない訳ですから13で割ります)
13で割ると1段の寸法がでますので C〜Bの寸法は1段寸法×14となり
下図のように依段目は図のように納まるわけです。
1段目の位置を決める場合

階段の段板彫りに私はこんな道具使っています
左図:画像はマキタルーター電動工具です
化粧材面取り加工などに最適な道具です。もよく似た道具ですがトリマとかはトリマーと呼ぶ電動具がありますが、馬力小さいので階段の段板彫り込みにはルーターや溝切りの方が適します

右図:マキタ溝切り電動工具です「主に鴨居や敷居の溝突きに使う電動工具です」
※定規などは様々な市販品が出回っておりますが、作業によっては使い勝手の良い定規を自作で作る事が多くあります。
用途や作業より溝切りの刃先やルーターやトリマーのピットを取り替える事によって様々な加工も可能です。
ルター/溝切り/トリマー

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3段廻り階段 ※簡単に30度を出す方法(1)
身近にある墨壺や白糸使って円形を絵がいながら30度を作る。(円形を利用して30度を出す方法)
※蹴込み寸法は一般的に1寸から1寸2分程度
3段廻り階段墨壺の糸で30度を作る

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建築掲示板でプロの仲間が教えてくれた30度の出し方(2)

廻り段30度の簡単に出す

差し金で30度の出し方(3)
差し金使って30度を出す方法

30度を作る順序
差し金で30度を作るには(上の画像参照下さい)
説明で解りやすいように寸法例を記載します。※例:画像A寸法は1尺とします
@DとEの90度を先に書き次に任意でA寸法を決めます。※差し金がく使える程度の長さで決めて下さい。※例:A寸法1尺(差し金短手)と仮に設定します。
A例:A寸法1尺に決めたのでB寸法は2分の1を5寸を赤丸に合わせます。。
BC:それから差し金(長手)は寸法、関目盛係なしに黄色丸の集合点に合わせます。
Cこの角度が30度です(ちなみに反対側の角度は60度となります)線が短い分は引伸ばします。
Dもう一つの30度は同じ方法か型など取って移します。

☆その他30度を出す方法はいくらもあると思いますが以上の方法はでは簡単で計算機等要らず原寸で出せます
例えば 1対2=√3等で30度は出せますが計算機必要や3辺を結ぶなど現場では面倒な作業が要ります
より早く・・・より正確・・・超簡単・・・に出せる秘術などご存じの方は是非ページに紹介したいので教えて頂きたいと思います。

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踏み面、蹴込み(ケゴミ)について

蹴込み板(ケゴミ)詳細図
廻り階段は図のような原寸図を書いて木取りすると確実な寸法がでると思います
それぞれの段板幅は踏み面に蹴込み分(ケゴミ)をプラスした寸法が1段の段板幅となります
昨今の階段材は既製材使用などが殆どで蹴込み寸法は一般的に1寸〜1寸2分程度になると思います
※壁面側の納まりは省略していますが、それぞれ多くの納まりがあり、実際に作る場合の納め原寸を書きます
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★廻り階段を側板で納める

参考例を書いたものです(私は幅木納めしか経験が無く自信ないですがイメージとして捕らえ参考になさって下さい)
※平面の原寸(又は必要部分の原寸)をベニヤなどに書く
※廻り段部分の側板は直側板より広い材が必要
※廻り段は角度があり少しの壁面の幅が違っても狂って合いませんので
ベニヤなどを壁に仮張りし(実際の出面張る)廻り段板平面図の原寸を写す、側板の幅や勾配も解ってきます。
(実際に現場取り付けの際も並ベニヤなどで廻り段のそれぞれの型を作って現物合わせすると失敗しません)
※大工さんによって工程は様々です、より良い方法で施工される職人さんも多くおられると思います。
(質問頂いたので未熟ながら急遽追加作成しましたが、絵も下手で理解困難/間違いなどありましたら容赦下さい)
※階段平面図は例に書いていますが、いろんなタイプにも参考、応用が出来ると思います。

階段側板納まり例

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★廻り階段を幅木で納める

この場合は段板は壁内まで下地を組んで止め食い込ませその後ボードなど張ります。
※壁材のプラスターボードなど貼ってからボンドで既製幅木を貼り付けます
※下図の様に段の角で直角に切る形(この場合小口は着色します)や留めで全体に幅木を回すなど現場は様々臨機応変です。

3段廻り幅木納め

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6段廻り 階段展開図

掲示板の質問依頼から常連のプロからご親切に参考図提供頂き有り難うございます。
提供者の詳細説明は画像の下にコピーしていますのでご覧下さい。
※以下画像等記載はは作者の了解を得てページ作成しています。

6段廻り
◇平面図  ・どの図も同様で 正確に原寸で墨付けします(ベニヤ板や透湿防水シート使ったりしてます)

        ・図面では中心線を蹴込み位置にしていますが 前後の状況や各人のやり方で決めて下さい
        ・ポイント 側板内側ライン 側板の展開するとき このライン上の寸法を読み取りますので重要です  
 
◇展開図  ・平面図と蹴上寸法(階高により算出)をもとに展開していきます
        ・縦方向に蹴上寸法、 横方向に側板内側ラインで読み取った段鼻、蹴込み位置(注)などを記します
        ・これまでの記しをもとに 段板を書き込み 側板勾配(ポイント参照)を決め側板上端と幅を書き込みます
        ・側板の切り替わる位置や蹴込みなど書きこみます(クサビ止めの場合はクサビしろも加えます)
        ・ポイント 側板の勾配 変則な場合を除き 廻り勾配も統一すると墨付けや加工の際も楽です
                        ココでは段鼻から段鼻を結んだラインをもとに決めています
        ・注  蹴込み位置     廻り部分A、Dなどは他と異なります 正確に読み取ってください
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建築基準法に対する等施工令補足
(建築基準法施行令第23条〜第27条)

階段の種類(設置場所) 段板の幅
踊り場の幅員
蹴上げ
(けあげ)
踏み面
(ふみづら)
踊り場の設置
高さ範囲
@ 住宅階段※共同住宅の共用階段を除く 750mm以上 230mm以下 150mm以上 4m以下ごと 
A 小学校の児童用階段 1400mm以上 160以下 260以上 3m以下ごと
B ・中学校/高等学校/中等教育学校の生徒用
・劇場/映画館/公会堂/集会場等の客用
・物販店舗(物品加工修理業を含む) で床面積の合計が1、500uを超える客用
1400mm以上 180mm以下 260mm以上 3m以下ごと
C 直上階の居室の床面積の合計が200uを超える地上階用のもの 1200mm以上 200mm以下 240mm以上 4m以下ごと
D ABC以外および住宅以外の階段 750mm以上 220mm以下 210mm以上 4m以下ごと
上がりやすい住宅階段の目安
計算式:蹴上げ寸法×2+踏み面寸法(ケゴミ部分は含まない)=65〜61の数値範囲が上りやすい階段言われが蹴上げと踏み面の比率が重要です。

※階段の種類の一部を記載しています、全ての表示ではありません
※数値に間違いがあったり、法規が改正される場合があります。施工時には必ず最新の公的サイトで確認して下さい。

上記の表(1)住宅用階段の補足説明

踏み面
 
15Cm以上(蹴りこみ部分は含みません) 蹴上げ 23Cm以下
※踏み面、段端にはノンススリップを貼り付けるなど滑り止め防止が有効です(集成材などの既製材には既にノンスリップ加工付き段板が主流になっています)
※廻り段の場合 段板踏面の狭い方から30pの位置で15Cm以上が必要となります
※踊り場の設置  階高4000m/m以下それ以上の場合は途中に踊り場を設ける
※階段の替わりに傾斜路をもうける場合、勾配は1/8以内で表面は滑りにくい材とする。
階段有効幅員 75Cm以上階段手摺を付ける場合は壁から手すりの出は10Cm以内とする※この10Cmを超えた部分は加算される
完了検査を受ける場合、段幅員75Cm以上なければ法律違反として通りません。
※手すり取り付けブラケット金具部分にはコンパネなど下地を入れて置くことが取り付け強度上安全です)
手すり高さについてはとくに規程なし(腰の高さが適当)
※一般在来住宅のモジュール柱、芯〜芯910cm(3尺)すが昨今石膏ボードなど壁材もなども厚くなり有効幅が75Cmは
確保されません、出来れば芯〜芯940Cm以上が理想です(91Cmの場合下地を埋め込んで貼るのも大変かと思います
※但し、屋外階段の場合は幅員を60pとする事が出来る様です。
※夜間の上り下りのために足元灯設置や階段手摺付けるなども安全の為お勧めです
工事に際しての注意事項 階下の床張り工事が済んだら早く掛けると上り下りが便利だが、物を落としたりして傷が付かない様に養生を十分行う事が重要
又、後のお手入れにはノンスリップ系の白木用ワックスが安全です。
第23条 階段及びその踊場の幅並びに階段のけあげ及び踏面の寸法フリーリンクサイトを参考さい。
注意事項
上記は、建築基準法/金融公庫/年金バリヤフリーなど様々異る部分があり一律でありません、実際の設計、工事に際しては必ず公的機関で確認下さい。

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